BIMを習得するには!?【BIM初心者必見!】グラフィソフトが提唱する、BIMを使いこなすために必要なステップ

2025年7月28日

幾何学的な白い構造物に階段やはしごを登る人々のイラスト。黄色の背景に大きな日本語の文字。テキストにはこう書かれています:BIMを習得するステップを詳しく解説!」。.

BIMの活用が進む一方で、BIMを使いこなし、建設業界のDX化を進めるためには、適切な方法で習得することが不可欠です。このコラムでは、初心者がBIMを使いこなすまでのハードルや習得までのステップ、さらには、BIMを社内に定着させるために必要なサポート、BIMマネージャーの重要性について解説します。

目次

  1. BIMの習得で、ハードルになるポイント
  2. BIMを使いこなせるようになるための、具体的なステップと習得方法
  3. BIMを社内で定着させるために必要な取り組みは?
  4. BIMのエキスパートになると見えてくる世界
  5. BIM Classesで、BIMのエキスパートを目指そう
  6. まとめ

1. BIMの習得で、ハードルになるポイント

BIMの導入を検討している企業や設計者の多くで、まず直面するのが、習得のハードルです。特に大きな障壁となるのは、現状の設計業務が忙しく、学習時間が確保できないことです。多くの設計者は、既存の業務を継続しながらBIMを習得しなければならず、十分な学習時間を確保することが困難な状況に置かれています。

また、BIMの習得で初心者がつまずきやすいのは、CADとの根本的な違いです。CADは図面を描きますが、BIMは“建物そのもののモデル”を作成することから始まるため戸惑いが生じます。たとえBIMを導入したとしても、BIMの習得の難易度や慣れている安心感からCADに戻ってしまうケースもあります。

こうしたハードルを乗り越えるためには、個人の努力だけでは限界があります。会社全体でBIMの導入を決定し、組織的なサポートが不可欠です。設計者は、上司の理解を得た上で、BIMの学習時間を確保することが重要です。既存の業務を抱えながら、さらにその上にBIMの習得を求めてしまうのは設計者の大きな負担になるため、適切な業務の配分が必要になります。

2. BIMを使いこなせるようになるための、具体的なステップと習得方法

理想的なBIMの導入に向けた社内の座組

BIMの習得を成功させるためには、体系的なアプローチが必要です。最も重要なのは、BIMの導入をリードする専任のBIMマネージャーを配置することです。BIMマネージャーが、BIMの導入のプロジェクトマネジメントを担当し、チーム全体を牽引します。BIMマネージャーは、専任で配置することが理想的です。兼務では導入が困難になるケースが多く、計画立案や育成に集中できる環境整備が成功の鍵となります。また、BIMマネージャーの大切な仕事の1つにメンバーの育成があります。メンバーに対してBIMに関する学習計画の立案や、トレーニングの受講の促進などを行うことが重要です。

BIMを習得するためのステップには、基礎トレーニングの段階と実務での実践の段階があります。例えば、グラフィソフトが扱うBIMのトレーニング「BIM Classes」などでは、約2カ月間の基礎トレーニング期間で、BIMの概念やArchicadの機能、操作方法など基礎的なスキルを包括的に習得できます。

なお、「BIM Classes」とは、グラフィソフトが開発したBIMを学ぶためのオンラインスクールです。初級から上級コースまで豊富なコースが用意され、段階を踏んで受講することで確実なレベルアップを図れます。

基礎トレーニング(約2ヵ月)期間では、Archicadの機能や操作方法を習得します。このトレーニングでは、ソフトの基本操作だけではなく、BIMの概念も含めて包括的に学習します。

次に実践(3〜4ヵ月)期間では、実務での使用に移ります。実際にモデリングや図面作成を行いながら習得を進め、およそ6ヵ月程度で習得に至ります。

BIMは独学での習得も可能ですが、BIMソフトの膨大な機能を、1人でひとつずつ調べながらの学習では時間がかかります。また、自己流の使い方が正しいのか自信が持てず先に進むことができない、あるいは一部の機能を利用するだけに留まりBIMの導入効果を実感できないなど、複数の原因によって導入に挫折してしまうケースが多くあります。こうした失敗を避けるためには、BIMプロジェクトの経験が豊富な人からの直接的な学びや、講習による学習の方が、より確実且つ効率的に学ぶことができます。

3. BIMを社内で定着させるために必要な取り組みは?

社内でのBIMの定着には、導入から活用まで一貫したマネジメントが必要です。単なるツールの置き換えではなく、経営層も参加して、「このツールを使って、会社として、どういうメリットを出していくのか」といった導入の目的の明確化が大切です。

また、それぞれの会社の特色に応じて、まずは基本設計レベルまでの活用を目標とし、その後、実施設計レベルまで段階的に拡大していくアプローチが効果的です。実際のプロジェクトでは、およそ約6ヵ月で基本設計レベルの図面作成ができるようになります。

会社側は、BIMマネージャーが孤立しないよう、全面的にサポートする必要があります。他の設計担当者も同じ方向を向き、BIMプロジェクトの成功に向けてコミュニケーションを取りながら協力することが大切です。BIMマネージャーのリーダーシップと、チーム全体の協力体制が定着の成否を分けます。ほかのメンバーが、「忙しくてBIMを学ぶ時間がない」といった理由でBIMの導入から離れてしまうと、せっかくの取り組みが水の泡になってしまうからです。

4. BIMのエキスパートになると見えてくる世界

BIMを活用しているPCモニター画面

BIMを習得することで、会社レベルと個人レベルに大きなメリットがもたらされます。

まずは、会社レベルでは様々なメリットが期待できます。より高品質な建築物の実現やコスト削減と工期短縮、運用・管理の効率化、さらに設計者側のメリットとして、スムーズなコミュニケーションの実現など、業務効率の向上とDX化が実現されます。従来、バラバラに作成していた図面が1つのデータにまとまることで、整合性が保たれ、業務が大幅に効率化されるだけでなく、3Dモデルによるプレゼンテーション力の向上も期待できるでしょう。

次に、個人レベルでのメリットとして、BIMプロジェクトには多様な職種が生まれていることです。BIMの習得によって、BIMマネージャー、BIMコーディネーター、BIM設計者、オペレーターなど、様々な業務を担当する職種が生まれる可能性が広がります。BIMを使える人材は、まだ設計業界で少ないため、BIMのスキルを評価されて採用されるケースも増えています。

特に注目すべきは、確認申請でもBIMが活用できるようになることです。国土交通省が2026年春から「BIM図面審査」を開始し、BIMがあたり前になりつつある中、すでに経験がある人材が活躍できる領域が拡大しています。

5. BIM Classesで、BIMのエキスパートを目指そう

グラフィソフトのBIM Classesは、初級から上級コースまで豊富なコースを用意したオンラインスクールです。BIMの操作方法だけではなく、BIMの概念も含めて包括的に学習できるパッケージとなっています。BIM Classesは、1クラス最大8人までの少人数制で、50以上のクラスが準備されており、BIMの機能、ワークフロー、モデリング、図面作成、全体の把握までを学ぶことができます。BIM Classesでは、あらゆる側面からBIMの原理について学べることが特長です。さらに、BIM Classesは、CPD認定の講座となっているため、単位を取得することができます。

初級コースでは、Archicadを初めて使用するユーザー向けに、画面構成やコマンドの基本操作からモデル作成方法まで、プロジェクトで使用するための基本知識を習得できます。中級コースでは、モデリング、図面作成、一覧表など、BIMソフトの主要スキルに特化した知識を習得。上級コースでは、専門分野に関わる高度なArchicadのスキルとBIMの知識を身につけられます。

講師は、全員Archicadユーザーで構成されており、実務経験に基づく実践的な技術・経験を学べます。また、受講後の疑問もフォローアップによって解決できます。いつからでも入学可能な年間プログラムとなっています。BIM Classesでは、初心者から経験者まで、自分のペースで学びながら、BIMのエキスパートを目指せます。

6. まとめ

BIMの習得は、適切な戦略と組織的なサポートによって確実に成功に導くことができます。個人の努力だけに頼るのではなく、BIMマネージャーを中心とした組織的な取り組みが成功の鍵になります。会社全体が同じ方向を向き、計画的にスキルの習得を進めることで、BIMを活用することが可能となります。建設業界のDX化が加速する中、BIMは必要不可欠なスキルへと変化しています。ArchicadのBIM Classesによる体系的な学習アプローチで、BIMマスターへの道に取り組んでみてください。

Archicadを使って、仕事をよりスマートに!効率的で直感的なBIMソフトウェアであるArchicadは、強力なツール、使いやすいインターフェイスで、あらゆるサイズのプロジェクト、チームをサポートします。柔軟性の高いデザインツール、シームレスなチームでの共同作業、図面作成の自動化、写真品質のレンダリングを提供し、建築の創造を支援します。

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